■ホルモンが影響?
前立腺がんの治療法のなかでも一番選択されることの多い「ホルモン療法」についてお話します。前立腺がんの多くは精巣・副腎から出る男性ホルモンの影響を受けて増殖します。簡単に言いますと「ホルモン療法」はその男性ホルモンの分泌・働きを抑えることにより前立腺がんを抑制する治療法です。
■「ホルモン療法」とは?
「ホルモン療法」には『卵巣摘除術』と『薬物療法』があります。薬剤は注射薬の『LH│RHアゴニスト』と内服薬の『抗男性ホルモン』『女性ホルモン』がありいずれも非常に効果があり90%以上の人に効きますが、男性機能障害(勃起障害、性欲減退)またはほてり、発汗といった女性の更年期障害のような症状、さらに骨粗鬆症の副作用が出る場合があります。しかし、重篤な副作用はなく治療は通院で可能なため患者さんの負担は軽い治療法といえます。
■「ホルモン療法」の利点・欠点
しかしながら、がんを死滅させることはできません。数カ月から10年くらいで効果が無くなり、その際は治療が難渋します。そのため若年(75歳以下)が選択されることは少ないですが、効果が無くなるまでの期間を遅らせるために「間欠的ホルモン療法」といった方法もあります。この方法は副作用を軽減でき、治療費を抑えられます。
年齢や身体の状態、がんの進行具合などで条件は違ってきます。治療法の利点・欠点を考慮し一番合った方法を泌尿器科医と相談の上選択しましょう。