前立腺肥大症

2013-10-23 20:40:40

【ワンポイントアドバイス】

 おしっこが出づらくなった男性では、「年取ったなあ」と自分で納得してしまっている方が多く見られます。4~5人に1人は前立腺の病気が有るといわれています。治療で良くなることが多いので泌尿器科の受診を考慮してください。
また肥大症ではなく神経の病気・前立腺がんなど他の原因で症状が出ている事もあります。
 泌尿器科受診のメリットは高いと考えております。

★「どんな症状の時に肥大症を疑えば良いのか?」

”おしっこが出始めるまでに時間がかかってしまう”
”おしっこがいつまでもチョロチョロと出てなかなか終わらない(尿の切れが悪い)”
”おしっこした後に残った感じ(残尿感)がある”
”おしっこの出が細い”
”お腹に力を入れないと尿が出ない”
”1回1回の尿が少なくて何回もおしっこにいってしまう”
”夜何度もおしっこに目が覚めてしまう(夜間頻尿)”
”おしっこしたくなると間に合わなくなってしまう(尿意切迫)”
”おしっこがダラダラと漏れる”


【解説】

 上記したような各種の「おしっこの調子が悪い」という症状では前立腺肥大症の検査をしたほうがよろしいです。
 就寝時間帯に尿量が多いために夜間頻尿となっている病態は、「夜間多尿症」といって前立腺肥大症とは異なる病態です。下記の”排尿日誌”をつけてもらえば判ります。

★「どういう検査をするの?」

だいたいの方では、下記の手順で検査していきます。
1.「国際前立腺症状スコア(IPSS)」というアンケートを記入してもらって自覚症状の重症度を評価します。

2.診察:
  検尿:糖・蛋白・出血の有無をチェックします。
  顕微鏡を使って膿が出ていないか?出血がないか?調べます。
  症状の内容や経過などを伺います。
肛門から指を入れ前立腺を触り(直腸診)、大きさや性状を調べます。
     前立腺が大きい場合は・・・
        ①エコーを使って前立腺の大きさや状態を調べます
        ②尿流量測定:尿の出具合をみる機械です。
               専用の器械に向かって立ちしょんべんをしてもらいます。
               後でエコーを使って残尿量を調べ、重症度を客観的に評価します。
               全く痛くも怖くもない検査です。
3.前立腺癌を否定する必要が有りますので、PSAという血中マーカー物質を採血測定します。
4.薬を処方します。
     1~2週間後に再診。
     血液検査の結果を説明し、症状の変化に関して話を伺います。

マイタウン奈良掲載コラム