男性不妊症

2013-10-23 20:42:01

定義 :「通常の性行為にもかかわらず12ヶ月以上妊娠が成立しない場合」
15%のカップルは不妊症とされています。
不妊症の原因は、25%は男性のみの異常があるカップル、25%は男女両方に異常の有るカップルと言われております。つまり不妊症カップルでは約50%に男性因子が関わっている訳です。
男性不妊症には、
①精子の数が少ない乏精子症
②精子の動きが悪い精子無力症
③精液中に精子が存在しない無精子症
などが挙げられます。
女性での検査に比べて男性での検査の方が簡単ですぐに判ります。
→ 不妊症のカップルでは、男性の検査を優先すべき思われます。

★「男の場合どんな検査をするの?」
①問診 : 不妊症の原因となる病歴が無いか?確認します
②診察 : 生殖器の触診(精巣の大きさ・精索静脈瘤の有無・前立腺炎の有無など)をします。
         精巣のサイズや陰毛等に異常を認める場合は血液検査でホルモンの状態を調べます。
(必要が有りそうならば、前立腺や精嚢腺の超音波検査をします)
再診時に精液を持参していただきます
→ 精液を顕微鏡で観察し数・動き・奇形率を調べます。
     精液の正常な状態
        精液量   : 2ml以上
        精液濃度  : 1ml中に2000万個以上
        精子運動率 : 前進運動精子50%以上 または高速直進運動精子25%以上
        正常形態精子: 30%以上
        生存率   : 50%以上
        白血球   : 1ml中に100万個未満
     精液採取の際の注意事項
        禁欲期間を「2日~7日」持ってください。
       自宅で採取した精液を2~3時間以内を目標に病院にもって行きます。
精液の搬送方法には「室温で十分」
ただし20度以下、あるいは40度以上になると精子の運動は著しく低下します
        精液検査だけの値段は 300円程度です。
★「男の場合どんな治療をするの?」
生殖医療の進歩(精巣内精子回収法では精巣内に精子が存在すれば顕微受精が成功する例が報告されています)の為に、不妊症の治療の主体は婦人科が行うようになっています。
泌尿器科で行う治療は、「視床下部下垂体障害による性腺刺激ホルモンの補充療法」、「精路閉塞症による手術」、「精索静脈瘤の手術」等があります。総合病院での治療が必要なことが多く、クリニックでは診断のみで、治療は総合病院へ紹介することが多いです。

マイタウン奈良掲載コラム