
男性の泌尿器
男性の泌尿器
前立線肥大症は、泌尿器科のもっともポピュラーな病気です。しかしながら前立線の位置、症状共に、よくわからない方が多いのが現状ではないでしょうか?前立腺は膀胱の真下にあり、その中を尿道が通っています。前立線液を分泌し精子が卵子に到達するのを手助けします。肥大の原因は不明ですが40歳代半ばより小さくなるグル―プと大きくなるグループに分かれ、その大きくなるグループが前立線肥大症です。
前立線が大きくなると膀胱と尿道が圧迫されます。その結果、尿が出にくい、頻尿(特に夜間頻尿)・残尿感といった症状が出ます。50歳以上の男性で表のような症状がある方は前立線肥大症が強く疑われます。父親・兄弟といった近親者が前立線肥大症の場合、肥大症になる危険度は高いといわれています。
おしっこが出づらくなった男性では、「年取ったなあ」と自分で納得してしまっている方が多く見られます。4~5人に1人は前立腺の病気が有るといわれています。治療で良くなることが多いので泌尿器科の受診を考慮してください。
また肥大症以外の神経の病気、前立腺がんの発見など泌尿器科受診のメリットは高いと考えております。
前立腺の診断は、下記の手順で行います。
評価
「国際前立腺症状スコア(IPSS)」というアンケートを記入してもらって自覚症状の重症度を評価します。
診察
検尿:糖・蛋白・出血の有無をチェックします。
顕微鏡を使って膿が出ていないか?出血がないか?調べます。
症状の内容や経過などを伺います。
肛門から指を入れ前立腺を触り(直腸診)、大きさや性状(硬さ・表面の性状)を調べます。
直腸診が嫌な場合はいきなり診察することはありません。
診察の仕方と必要性を説明した上で行いますので心配しないでください。
前立腺の大きさ(体積)や状態を調べます。
前立腺内部の石灰化の有無・がんの有無、膀胱への影響など
尿の出具合をみる機械です。
専用の器械に向かって小便をしてもらいます。
→機械が自動的に排尿の状態をグラフ化します
排尿後でエコーで残尿量を調べます。
重症度が客観的に評価できます。全く痛くも怖くもない検査です。
前立腺がんのチェック
PSAという血中マーカー物質を採血測定します。
治療
診察・検査結果を説明した上で最適と思われる薬を処方します。
1~2週間後に再診。血液検査の結果説明し、薬の効果に関して話を伺います。
慢性前立腺炎とは、下腹部や陰部や肛門周囲に、違和感・不快感・痛みを感じる等の症状が現れる病態です。
排尿時や射精時に痛みや不快感を伴う場合や、頻尿を呈することもあります。
通常は不快感程度で日常生活に支障がないことが多いのですが、人によっては苦痛でしょうがなくなってしまう方もいます。
原因としては、細菌感染やクラミジア感染が関与していて原因がハッキリ解る場合も有りますが、多くの場合は原因が判定できません。アレルギーの関与なども考えられていますが、実際のところは原因不明です。
まずは検尿検査で細菌感染の有無を確認します。その後、直腸診(炎症が急性でなければ前立腺マッサージも行います)をした上で、前立腺分泌物を採取し検鏡します。分泌物中の白血球の有無をチェックします。
抗生剤・漢方薬・植物製剤・鎮痛剤・PDE5阻害剤など種々の薬剤を処方し効果をみる。
気をつける事 | 対策 |
香辛料などの刺激物やアルコールにより症状が悪化することがあります。 | 刺激物・アルコールは避ける |
ストレス | ストレス解消を心がける |
長時間に及ぶ座り姿勢(デスクワーク・長時間運転・自転車・長距離移動など)で会陰部を圧迫し続ける事によって起きる血行障害が原因の可能性もある。 | 途中で定期的に屈伸やストレッチも効果有り |
近年の食生活の欧米化に伴い日本でも増加傾向の著しい男性特有のがんの一つです。
部位別のがん罹患数は、現在男性では一番多いがんとなっています。
前立腺肥大症に比べて前立腺がんは初期には自覚症状が少なく発見が困難です。
の3つで行います。
スクリーニングで前立腺がんが疑われた場合 MRI検査で精査します。
以上の検査で疑いが強い場合前立腺針生検を行います。
針生検は入院が必要なため入院のできる病院を紹介することとなります。
入院が必要です。腰椎麻酔か局所麻酔を施した後にエコーガイド下に前立腺に針を6~12カ所刺し組織を採取します。採取した組織を病理学的検査で ①がんの有無 ②がんの有の場合は悪性度を診断します。
がんの存在を確認した後、CT・骨シンチで前立腺がんの多臓器転移の有無を調べます。(病期分類)
がんの悪性度と進行度(病期分類)をみて治療法を決定します。
前立腺がんの多くは精巣・副腎から出る男性ホルモンの影響を受けて増殖します。簡単に言いますと「ホルモン療法」はその男性ホルモンの分泌・働きを抑えることにより前立腺がんを抑制する治療法です。
「ホルモン療法」には『精巣摘除術』と『薬物療法』があります。薬剤は注射薬の『LH│RHアゴニスト』と内服薬の『抗男性ホルモン』『女性ホルモン』がありいずれも非常に効果があり90%以上の人に効きますが、男性機能障害(勃起障害、性欲減退)またはほてり、発汗といった女性の更年期障害のような症状、さらに骨粗鬆症の副作用が出る場合があります。しかし、重篤な副作用はなく治療は通院で可能なため患者さんの負担は軽い治療法といえます。
がんを根治する可能性が一番高い治療法は、手術療法とされています。しかしながら、その対象となるのは原発巣(最初にがんが発生した臓器)に留まって他の臓器に転移していない状態の患者さんとなります。1994年に腫瘍マーカー(血液検査)のPSA(前立腺特異抗体)の開発により手術可能な早期前立腺がんが圧倒的に増えました。
前立腺がんの手術は、前立腺と精嚢腺を摘出し、膀胱と尿道をつなぎ合わせる治療法で、「前立腺全摘出術」と呼ばれます。同時に前立腺周囲のリンパ節も切除します。
手術方法は、開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット手術がありますが、現在はロボット手術を受ける患者がほとんどです。
放射線治療とは、放射線を使ってがん細胞の遺伝子を破壊し細胞分裂ができなくする方法です。
放射線治療には手術と同様根治を目的とする場合と、骨転移による痛みの緩和・病的骨折の予防を目的とする場合の2種類があります。
①外照射法 | 体の外から前立腺に放射線を照射する方法 |
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②密封小線源療法(組織内照射法) | 小さな粒状の容器に放射線を放射する物質(アイソトープ)を密封し前立腺に埋め込み内側から治療する方法 |
③陽子線療法 | 以前は医療保険の適応がなく自費で数百万円必要でしたが、現在は保険適応となっています。 |
①は身体の外から前立腺に放射線を照射する方法で②は小さな粒状の容器に放射線を放射する物質(アイソトープ)を密封し前立腺に埋め込み内側から治療する方法です。②の方が少ない放射線量で同等の効果があり副作用も少ないですが、がんをより早期に発見する必要があります。
陽子線治療は直腸や膀胱など周囲の正常組織への副作用の低減が期待できます。
加齢によって起こる男性ホルモンの漸減的低下に伴う種々の身体的・生化学的異常。一般的には男性更年期障害と認識されている。
精神・心理症状 | 落胆・抑うつ・苛立ち・不安・神経過敏・生気消失・疲労感 |
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身体症状 | 骨・関節・筋肉関連 骨密度低下・筋力低下・内臓脂肪増加 発汗異常・火照り 睡眠障害 記憶・集中力の低下 肉体的消耗感 |
性機能関連症状 | 性欲低下・勃起障害・射精感の減退 |
簡単な問診と血液検査(遊離テストステロン)で診断します。
8.5pg/ml以下 | 性腺機能低下 |
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8.5~11.8pg/ml | 境界域 |
11.8pg/ml以上 | 正常 |
遊離テストステロンが8.5pg/ml以下で性腺機能低下と診断された場合、ホルモン補充療法が上記症状の軽減に効果を認めることがあります。
ホルモン注射(エナルモンデポ)を2~4週間隔で投与
治療前に前立腺がんの有無をチェックします。
3ヶ月ごとに血液検査を行い副作用を厳重にモニターします。
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